みんなちいさくなーれ

404 Blog Not Found:最近の若者たちはどうやって本を読んでいるか

右のグラフを見ての通り、全体の売上げ(ピンク)は1997年をピークに頭打ちになっている。いや、むしろバブル崩壊後もしばらくは市場の拡大が続いていたことこそ驚くべきか。
にも関わらず、新刊点数(ダークブルー)はうなぎ上りだ。

コンテンツ市場の細分化というのは、書籍に限らず長期的なトレンドだ。音楽から映画まで、およそありとあらゆる分野でこの傾向を観察することが出来る。かつては「誰でも読んだことがある本」とか「誰もが見た事がある映画」を挙げるのは簡単だったが、今ではそれを上げるのは難しい。宇多田ヒカルクラスでも、「何ですかそれ?」という人は大勢いるし、涼宮ハルヒクラスでも読んでいない人は大勢いる。

その結果何が起こっているかというと、売れもしない本をたくさん作らないといけないので、出版業界が大変、ということになるわけです。
今までは一人の著者が書いた本が一万冊売れていたところが、二人の著者が五千冊しか売れない本を二冊出すと、編集者も二倍、装丁やイラストを書く人も二倍必要ですから、そりゃきっと大変だと思います。
#他人事みたいに言っていますが、一応過去に本を出したことがあります。7人がかりで書いたので、印税もページ数比例配分になった結果、数万円の収入でしたが。
で、じゃあどうするべきか?ぼくたちが昔みたいに、みんなでおんなじ本を買ってみんな同じ話題で盛り上がる?冗談じゃない。
みんなが面白いと思って買っていたのだったらともかく、買わないと話が合わないとか、「○○くらい読んでおかないと」とかいう理由で本を買わされるほど、ヒマじゃありません。
それよりは、みんながそれぞれ面白いと思う本を買う、あるいは本よりCDのほうが楽しいのならそっちを買えばいい、本もCDもいやだけど海外旅行に行きたい?いいじゃないですか?萌え~?どうぞご自由に。
みんながそれぞれ自分が面白いと思うものを楽しむほうが、明らかに健全な世の中というものじゃないでしょうか?
だったら出版業界のほうがそれに対応するべきです。出版規模が小さくても耐えられるように事業構造を変える、読者が数人しかいなくても利益の出せるモデルを考える、それこそが時代の要請というものじゃないかと。
それに応えようとしたのが、新風舎であり、Amazonのはじめたオンデマンド自費出版サービスなんじゃないのかな、と。
#まあいろいろありましたけどね。
出版業界に限らず、音楽業界でも、自動車業界でも話はいっしょなんじゃないのかな、と。
みんなが同じものを買うことを前提として巨大化した業界は、早いところスリム化してぼくの欲しいものを作ってください、と思っています。

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