独立を考える以前からずっと疑問だったことの一つに、「どうして人は組織を大きくしようと思うんだろう?」というのがあります。
よく「組織が大きくなると風通しが悪くなったよね」「会社が大きくなったら余計な組織ばっかりできて、やたらと書類にはんこが必要になって」というような話を見聞きします。
だったら会社大きくしなければいいんじゃないの?とずっと疑問だったのです。
数十人程度の規模で、社長が全員の名前を覚えている、独自の技術を持ってそれなりの売り上げがあって、その売り上げが社会や社員にしっかり貢献されていれば、それでみんな幸せじゃない?どうしてそこで大量の社員をやとって拡大の道をひた走ってしまうのか?そんなに社長が儲けたいのか?そんな貪欲な人ばっかりじゃあないと思うんだけど。
とはいえ、実際自分も会社で小さなチームを任されてみると、無意識のうちに組織を大きくしようとしていることに気づいたり。人間、無意識のうちに組織を拡大したくなってしまうものなのかもしれません。
どういう場面で人は組織を大きくしたいと思うのか?それはいいことなのか悪いことなのか?そういう話題を「大きな会社小さな会社」に書いてみたいな、と思っています。
日: 2007年12月25日
どうして社員を雇いたくなるのか?僕の場合
そういうわけで、先日から、いいめもやOBIIを通じて知り合った方を中心に、独立することになりました、こんなことやりませんか?(だからお金ください)、と営業をかけさせていただいております。
ありがたいことに何人かの方から一緒に仕事をしようと言っていただいた結果、それなりの量のお仕事を確保することが出来そうです。
で、やってみて思ったのですが。むしろ社員が5人くらいいた方が仕事取りやすいのかも知れない。
つまり、営業に行って、うまいこと仕事の出来る人を探している人がいたとしても、あんまりにも大きな仕事については、ひとりでこなせないのでお断りせざるを得なくなります。
一方、社員が5人いれば、5人月の仕事もとれるし、1人月の仕事もとれる。
1人月ってすっごいちいさな工数なので、むしろその人数で出来る仕事の方が少ないんじゃないのか?
マイネットの上原さんは5人を率いて創業した、というのを聞いて「なんて勇気があるんだ!」と思っていましたが、なるほど、やってみると、その方が合理的なのかも知れない、と思いました。
でも当面は、自分ひとりでやってみようと思います。そこでいろいろ学んだ上で、やはり組織が必要だと思えばその時作ればいいことなので。
退職と独立のご報告
1月末日をもって、7年勤めたSky株式会社を退社することになりました。
別に会社とケンカしたわけでもなければ、クビになったわけでもなく、自分の今後の方向性を考えた結果、今の会社で勤務し続けるよりも、一度組織を離れてひとりの自分として社会と向き合ってみたい、と考えた結果です。
Skyに入って7年。とてもいい会社だったと思います。もし今、友人から転職の相談を受けたとしても、迷わず「Skyはいい会社だよ」と言ってあげることができます。
けれども、会社が探してきたお客様のソフトウェアの開発を引き受けている限り、どうしたってオフィスで勤務しなきゃいけません。
情報セキュリティを気にする方の多い昨今、会社のPCやネットワークについてもある程度制限をかけざるを得なかった事情も理解できます。時間清算の契約である以上、早く終わったって定時まではいなきゃならないし、お客様の目がある以上、お昼休みに外に出たらあまりに気持ちがいいので一時間昼寝、てな事も許されないと思います。
そういった制約は本当に必要なのか?もちろん、必要な場面もあるけれども、そうでないやり方だってあっていいんじゃないのか?
その制約のない環境で自分の作り出した価値だって社会にそれなりに役に立つんじゃないのか?
現に「いいめも」だって、それなりに評価してもらってよね?昼間の時間を本気でつっこんだら、会社を通して社会に提供しているのと同じくらいの価値は社会に提供できるんじゃないのか?そう考えて、会社を退社して独立することにしました。
これまでお世話になった皆様、特に社内でお世話になった皆様から見れば、裏切りのように思われるかもしれません。
けれども、「好きこそ物の上手なれ」と常に言い続けてきた以上、好きと言い切れなくなってしまったことをこれ以上続けるのは、会社にとっても自分にとってもよくないと考えました。
転職先を探すつもりはありません。在宅ソフトウェア開発者募集!とかも、すくなくとも当面は使わずにいこうと思っています。
人が見つけてきた仕事に労働力を提供して時間給をもらうのではなくて、自分が協力することでこれくらいの価値があるはずです、だからこれくらい出しませんか?という価値創造型のお仕事を、自分で取ってこようと思っています。
こういった活動についても、可能な限りこのブログでご報告させていただこうと思っておりますので、応援していただけるととてもうれしいです。