オオカミ少年から学ぶメディアとの付き合い方

イソップ童話の「オオカミ少年」は、嘘をついた少年が狼に食われるという結末が有名ですが、もともとそんな結末はなくて、「村の羊はすっかり食べられてしまったとさ」というのが結末だったんだそうです。

日本ではイソップの話であるとして、狼に食べられるのは羊ではなく「羊飼いの少年」とする寓話がいくつも存在する。
(嘘をつく子供 – Wikipedia)

誰かが作り替えた話が、「そっちのほうがわかりやすいから」ということでどんどん広まっていって元の話を駆逐してしまう展開は、パクツイとかバイラルメディアでよく見られる現象ですね。

ところで、「村の羊はすっかり食べられてしまったとさ」という結論が元だとすると、これってどういう教訓だったんだろう、というのがfacebookで話題になりました。

食べられたのが少年じゃなくて村の羊ということは、村の人々の行動に問題があったということになります。ウソだかホントだかわからない話を鵜呑みにして、いきなり全員で武器を持って大騒ぎしちゃったことが問題なんじゃないでしょうか。
村人は、少年の話をきいた時点で、とりあえず武器を持った人を索敵に出して、他の人は冷静に待機しておくべきだったのです。
そういう対応なら、嘘だと判明しても「コラ!」って叱れば済む程度の話だっただろうし、対応コストが低いから、二回目以降も同じ行動を取り続けることが出来て、本当に狼が来た時には全力で事にあたることが出来たはずです。

センセーショナルな情報を見たからといって、真偽を確かめずに大騒ぎしてはいけない。

最近はバイラルメディアとかの流行りで、「わー!」「大変!」と言いたくなるようなタイトルの付いた記事があふれています。いちいちまともに受け取って騒いでいたら、体も心も疲れてしまいますよね。
本当に「これは大変だ」と思うのなら自分で真偽を確かめてから話題にすべきだし、そうでないのなら「ふーん」と言いながら判断を保留するくらいの態度がいいんじゃないでしょうか。オオカミ少年の話題を聞いてそんなことを思いました。

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