さくらのVPS|VPS(仮想専用サーバ)はさくらインターネット
さくらのVPS提供開始にあたり(さくらインターネット創業日記)
自分が今お借りしているサーバは、linode.comという米国の会社のVPSです。いろいろおもしろ機能がたくさんあって、コストパフォーマンスもいいのですけど、すべてのアクセスが太平洋を横断して行われるので、レイテンシ(応答速度)が遅くなりがちなのがネックです。さくらインターネットさんでVPSやってくれないかな、とずっと思っていたので、早速申し込んで使ってみました。
申し込み
WEBからフォームに入力して申し込むとメールが届いて、すぐに利用を開始できます。さすがVPSですね。
管理コンソール。linode.comに比べると機能が少ないのでシンプルです。
インストールされているOSは、上のスクリーンショットでも見えているとおり、CentOS5.5。最小構成のはずなのですけど、なぜかSendmailも入ってました。
使ってみた
モバイラーズオアシスのシステムを持ってきてさくっと動かしてみた。
こっちは今使っている、linode512(framont)のサーバ。
期待通りレイテンシが早いので、数字の上ではだいぶ軽くなります。ただ、重い部分は後でロードするとかの最適化をかけてあるから、体感的にはほとんど分からないんじゃないかなぁ。
比較
Linode 512(Fremont) | さくらのVPS | |
RAM | 512MB | 512MB |
ストレージ | 16GB | 20GB |
料金 | $19.95 = (1$90円で)1795円 | 980円 |
レイテンシ | 148ms | 21ms |
clone機能 | あり | なし |
DNS | 無料 | 1000円 |
レイテンシは僕のパソコンからping打って測定した時間です。
ほぼ同じスペックのサーバを国内に設置してお値段半分なのだから、さくらさんとてもがんばっていると思います。
回線に関しては、いったい何人を100Mbpsの中に詰め込む気なのかが分からないので、ここは保留。
DNSサーバの価格
linode.comでは、DNSサーバが無料オプションでついているのに対して、さくらインターネットさんでは別途申し込まないといけません(¥1050/月)。VPS1台+DNSサーバだと、2000円くらいかかるので、実はinode.comと同程度のお値段になります。
でも、DNSサーバは1申し込みで10ゾーン使えるので、何台かVPSを借りるのであれば、だんだんさくらのVPSが有利になっていきます。
メモリの増設
それよりも気になるのは、さくらのVPSはサーバスペックが固定であること。
linode.comだと、追加費用を払ってメモリを増やしてもらうことが出来ます。このおかげで、モバイラーズオアシスがニュースサイトに取り上げられて一時的にアクセス数が増えた時は、メモリを増やしてもらってアクセスをさばいておいて、ほとぼりが冷めたら元に戻す、というような事が出来ました。サーバ構成を変えずに対応できるのがとても便利です。
さくらのVPSでは、こういった増強オプションがないので、ユーザーさんが増えてきたら、WEBサーバとDBサーバを分割するとか、複数台のWEBサーバでユーザーさんのアクセスを裁くというような技術が必要になってきます。
ユーザー数が100万人とかに到達した時には、メモリ増設では追いつかなくなるので、遅かれ早かれ勉強しないといけない技術ではあるのですけど、5万PVくらいのプチ人気サイトのためにロードバランサーの導入とか、ちょっとめんどくさい・・・
クローン機能
あと、linode.comでは、新しいVPSを申し込んだ時に、既存のVPSのクローンを作ることが出来ます。
さくらのVPSだと、新しいVPSを導入するたびに自分でApache入れてRuby入れて・・・というのを繰り返さないといけないのですけど、クローン機能を使うと、今動いているサーバと全く同じサーバをもう一台作ることが出来るので、サーバを増設する時の作業がとても楽になります。
セットアップスクリプトを書くとかすれば対応できる話ではあるのですけど、人間楽なことを覚えるとすぐダメになりますよね(笑)
自分的結論
linode.comの便利機能に慣れた立場からすると、運用が大変そうだなぁ、と感じます。
リーズナブルに国内のサーバを利用できる点はとても良いのですけど、機能面で不足が目立ちます。さくらさんなら、きっとすぐ追いついてくるんじゃないかと思うので、しばらく様子を見ておこうと思いました。