[本]「世界征服」は可能か?

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 「オタクのカリスマ」「オタクの教祖」として有名な岡田斗司夫さんが、
「なんで世界征服なんかしたいんでしょうね?」
「そんな面倒なことせずに、高度な科学力で自分らだけ楽しい暮らしすればいいはずなのに…」
という、アニメ関係者が決して考えてはならない疑問を突き詰める本です。
とりあえず、仮面ライダーのショッカーや、北斗の拳の聖帝サウザーなど典型的な世界征服をたくらんだ人について、厳しいつっこみ。
「改造人間を作る技術があったら、その技術でお金を稼いで上院議員を買収した方が早いんじゃないの?」
「なんでお墓を作るのに子供に強制労働させるの?子供を人質に大人を使った方が早くない?」
そういうつっこみで一通り既存の世界征服を否定した後、現実的な世界征服について考察します。

目的設定
人材確保
資金の調達と設備投資
….

 それ、まるっきりビジネスやん!
まあ、本当にやろうとしたらそういうところから始めないといけないのだとは思いますが、夢のなさがおもしろすぎです。
[rakuten:book:11175202:detail]
空想科学読本に近いノリですね。
にもかかわらず、

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ネット社会によってどんどん情報が共有化されると、階級社会そのものが成り立たなくなった。すごい秘密の、上流階級しか行かないはずの温泉があったとしても、それは一泊五十万円という値段がついて、ネットで予約が取れて、誰でもいける場所になってしまう。ただ単にお金の問題になる。そういう「経済主義とネット」が、私たちの社会から階級をなくしてしまったわけです。
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という鋭い指摘に持っていく手法は見事なものだと思います。
別に教訓を見出さなくても十分に面白いと思うので、よければ一度お試しくださいませ。